当社の記事でも複数紹介している、キッチン排水のつまり最大の原因である油。
全国の水道局でも、油を排水口に流さないでくださいと注意喚起が多く行われています。
(例:東京都水道局・大阪府枚方市 )
水道局や修理業者がたくさん注意喚起するほど、油は排水管や下水管に悪影響を与えています。
このページでは、キッチンに流した油が排水つまりの原因になる流れから、下水管に流した油が引き起こす問題、油を排水に流す量を減らす方法について解説していきます。
流された油がつまりの原因になるまで
排水管から流れた油は下の図のサイクルを重ねて、塊になっていきます。
1.排水管の表面に流れて来た油が付着する
これは大量の油を流せばそれだけ付着する量も増えますが、油を拭って流さないように工夫した後のわずかな量でも、油の付着は発生します。
割りばしや使い捨て食器といった芯になる物体が排水管内にあると、油の付着からつまるまでの時間はもっと短くなります。
2.付着した油が冷えて固まる
気温の影響を受けるため、夏よりも冬のほうが固まる速度は早くなります。
3.冷えた油の上に食べ物のかけらや洗剤のカスといった固形物が付着する
必ず固形物が付着するわけではなく、冷えて固まった油の上に油が付着する場合もあります。
4.固形物の上から油がさらに付着
油の付着する面積が拡大、1.に戻り、層を形成する。
画像のサイクルが繰り返されることで油の層が積み重なり、塊になるくらい大きくなります。
さらに排水管の中で塊が大きくなると水の流れは次第に悪くなり、完全につまってしまうと、当社のような修理業者がつまりを解消する必要が生じます。
飲食店の油の取り扱いについて
住宅でも上記のようにつまりが発生してしまうのですが、毎日大量の油を使用する飲食店が同じように油を流してしまうと、当然つまりが発生してしまいます。
そのため一定以上の面積がある飲食店にはグリストラップ(グリーストラップ)という装置が置かれていることがあります。
(出展:熊本水道局)
グリストラップには、ゴミを受ける、油や汚泥を水から分けるといった機能があり、油を下水に流す量を抑制する効果があります。
当社はグリストラップから下水管に流れる部分の排水管のつまり解消に対応しております。
下水管に油を流すと起きること
排水管を無事通過した油も、下水管に流れたらもう安心とはいきません。
今度は下水管を詰まらせる原因になってしまいます。
台所の排水管と同じように、下水管でも油が付着し塊にまで成長する流れは発生します。
下水管がつまってしまうと、排水を流している多くの住宅や飲食店に影響が出てしまう恐れがあります
キレイなマンホールとつまったときの比較画像(引用:仙台市水道局)
ほかにも、流れている固形物を核に油の塊が成長すると、オイルボールと呼ばれる塊になります。これは水処理設備の故障の原因や、大雨や洪水をきっかけに川や海に流れだして水質汚染の原因になる場合があります。
極端な例ではありますが、イギリスでは下水に流れ込んだ油がウエットティッシュや紙おむつといった固形物などと共に巨大な塊になり、数百トンの大きさにまで巨大化。その除去に多額の費用がかかったことから、イギリスの水道会社に「ファットバーグ」と呼ばれて話題になったこともあるようです。
油を流さないようにするために
ここまでの説明で油を排水口に流したくない気持ちになってきたと思います。ですが、どんなに気を付けていてもキッチン排水に油が流れてしまうもの。それでも、より油を流す量を少なくするためにできることを2点紹介します。
1、油の固化剤を使用する
揚げ物などで大量の油を使用した後は、固化剤を使用して、燃えるゴミとして処理することが可能です。
2、油を使用した鍋や油汚れを洗う前に、キッチンペーパーなどで拭う
洗う前にキッチンペーパーで拭ってから洗うことで、油をキッチン排水へ流す量を減らすことが可能です。
終わりに
ここまで、キッチン排水や下水管に油が流した際に起きることや、排水に流してしまう油を減らす方法について紹介してきました。
キッチンで料理をする以上、油を使わないことは難しいでしょう。ですが、油を流す量を減らすことでキッチン排水のつまる可能性を低くすることは可能です。
それでもキッチン排水の流れが悪くなったり、流れが止まってしまった場合には、お気軽に当社までお問い合わせください。